小さいけれど無限のような
母の海の中で過ごし十月十日。
晴れて0歳初日を迎えた僕らは
また海の上にいた。
僕らは身体という船を使って
この海を漕いでいく。
先をいく人々は、水平線のその先を見ただろうか。
地球は本当にまあるくて、
僕らは水平線の先で転覆しないのだろうか。
僕らは漕ぐ。
真実はこの目で確かめるんだ。
時に、怒りが雷のようにひかり、
世界中の人の涙で水位が上がっては
ぐらぐらとゆれて、オールを手放しそうになる。
涙は海へ還り、痛みはいつの日か風が吹き去る。
かすかな風に哀愁や爽やかさを感じるのは