「同じ空の下で生きている」

そんな言葉はよく目にする。 歌にも物語にも散りばめられている言葉で 「そりゃそうだ」

なんて返しは寂しいのだろうから、

頭の本棚の手の届かないところに隠して

もう埃をかぶっている。

幼い頃、空はカーテンだと思っていた。 朝の空のその先が、お昼の空。 青い空のその先が、暗い宇宙。 誰かが空のカーテンを縫い上げたのなら、 その誰かは世界一の裁縫職人だ。

そして、カーテンの開閉係は重労働で

24時間勤務だと思うと同情してしまう。

季節ごとの微妙な調整も、まさしく職人技だ。

こうやって有り得ない話を、

つらつらと書くのは(ご存知の通り)好きで

幼い頃の自分を回想しては、懐かしい気持ちになる。

同時に、なんだか幼い頃の自分にごめんねと

言いたくなるのは何故だろう。

ネガティブなごめんねではなく、

爽やかで温かいごめんねだ。